シーサー

沖縄といえばシーサー。というほど本土の方にも知られるようになった魔除けの像。
13〜15世紀に伝来された「獅子」が琉球語でなまって発音されたためにシーサーとなりました。だから場所によっては「シーシー」などとも発音されるようです。獅子という言葉からも分かるように、モデルの源流をたどっていけばライオンです。本土の狛犬とは、ちょうど兄弟のような関係にあるのでしょう。

琉球版ガーゴイルといえるこのシーサーは、もともとは龍などと同じく権力者の力の象徴とされていましたが、いつのまにか魔除け、そして福を招くようになりました。
(ライオンは猫科なのだから招き猫に近づいてもおかしくはないかもしれません)

近年では観光宣伝の影響もあってかシーサーも室内に飾る置物や、キーホルダーにぶらさがって沖縄土産にもなっていますね。厳めしいシーサーだけでなく、ユニークな風貌をもつ像が増えたのもそういった影響と、何より人々に愛されているからなのでしょう。

キジムナー

琉球の妖怪といえばキジムナー。ガジュマルの巨木老木に住みつくとされるいたずら好きな森の精霊です。
赤い髪が特徴で、背丈は子供ほどしかありません。琉球に伝わる他の伝承同様、呼び名から外見、性格、行動など地域や島によってさまざまに言い伝えられています。

見ることのできる人間が限られている。
仲良くなった人間に富を与え、自分を追い払った人間を貧しくする。

といった座敷わらし的な側面と

気に入った人間と漁をしいつまでもやめようとしない。
人と婚する、もしくは性的ないたずらをする。
人をさらう。危害をくわえる。殺すこともある。

といった河童的な側面をあわせもっています。

キジムナーが民俗学的に河童や座敷わらしと同系統にあることは確かなことでしょうが、民話は伝播していくにつれ形を変え、また他の民話に影響を与えるので、琉球にもともといたキジムナーの様子を正確に知ることは、沖縄に行って実際に遭遇しない限りは難しいことなのかもしれません。