ウナイ神

琉球の信仰の中で興味深く、特徴的な存在がウナイ神という言葉です。「ウナイ神」とは男性にとっての姉妹をさします。女性には兄弟を守る霊的な力があると信じられているのです。ですからごく普通の女性でも霊格化され「ウナイ神」と呼ばれます。

御嶽

御嶽(うたき)は、琉球の信仰の要となる宗教施設で、神聖な空間です。
本土の神社のように建物や社はなく、整った山や森林を信仰の対象とします。御嶽の奥深く中心部の岩や木は、イビとよばれる神々の降臨所となっています。
最も有名かつ最も神聖な御嶽の名前を「斎場御嶽」といいます。斎場御嶽は琉球王国の全盛期、尚真王の治世の御嶽であるといわれます。琉球の最高神官の就任式「おあらおり」もここで行われていました。2000年には首里城、グスクなどとともにユネスコ世界遺産に登録されています。

巫女

琉球ではウナイ神信仰にも見られるように、宗教的なものと女性の結びつきが強く、大きな力を持っています。祭りや行事においても神女といわれる巫女としての女性の役割が非常に重要です。
琉球の神女(巫女)は聞得大君を頂点としてその下に地方のノロ(祝女)を置くという階層組織でした。このような組織が確立したのは、やはり尚真王の治世で、初代聞得大君には、尚真王の妹(つまり王のウナイ神)がつき、代々王国の重要な祭祀を司りました。
琉球処分後、聞得大君は廃されてしまいますが、地方にあったノロは残りつづけ祭りをおこなったそうです。